「安定した企業」という考えは実は曖昧
不景気になるほど「安定した企業」を志望する人が増えます。多くの人が将来に不安を覚え、「安心したい」と望むからなのでしょう。
では、「安定した企業」とは、どういう企業のことでしょうか?「経営基盤がしっかりしている企業」とよく聞きますが、「経営基盤」とは何のことでしょうか?従業員数が5000人いたら、「経営基盤がしっかりしている」と言えるのでしょうか?
「安定した企業」の姿を、より具体的に考えていくと、その定義は実に曖昧なのです。
「安定した企業」の条件とは?
転職を考えているEさんの例で言うと、知名度は低くても、圧倒的シェアを誇る企業「安定した企業に転職したい」と一部上場の有名企業ばかり志望していました。このため私は、「安定した企業とは何ですか?」とたずね、改めて具体的な「安定した企業」の条件について考えてもらいました。Eさんは自分が考える「安定した企業」の条件として、「シェアが高い商品を持っている」という答えを出してきました。
そこで私は、特殊車両で圧倒的なシェアを誇るB社を紹介しました。B社は、商品自体が一般的なものではなく、知名度の低い非上場企業です。従業員数が100人以下の中小企業で、イメージだけでとらえれば「安定した企業」とは言えないかもしれません。
しかしB社は、Eさんが考える「安定した企業」の条件をしっかり満たしており、製品の需要も堅調な企業だったのです。Eさんは、B社から見事内定通知を受け取ることができました。これは、「安定感」というものを単にイメージだけではなく、「シェア」という具体的なものを通してとらえられたからこそ生まれた成功事例だと思います。
倍率アップで安定が不安定に?裏をかく行動で幸運に出会う
不景気な時期は、「安定した企業」というイメージが強い大手有名企業に応募が殺到し、競争率が上がります。結果、大手有名企業希望者は、安定を求めて活動を始めたにもかかわらず、活動が長期化して不安定な生活を余儀なくされるリスクが高いと言えます。
また、今は「安定した企業」と呼ばれていても、産業の盛衰が激しい現在の産業構造では、10~20年先もそう呼ばれているかということは分かりません。こういう時期には、知名度の高さや大手ということだけにこだわらず、「裏をかく行動」をおすすめします。
有名でなくても将来が有望な企業は必ずあります。これまでの「安定した企業」という曖昧なイメージを捨て、より視野を広げれば成功のチャンスも広がります。